白兵新型試作機、高機動特化型(XX-xc)開発経緯
1.白兵新型試作機、高機動特化型(XX-xc)
白兵型の一般概念だった機体構成──「重装甲」、「高出力リアクター」による正面突撃思想から逆転発想し、「軽装甲」と「超高機動」による高い運動性と回避性を目指した奇襲型として提案された。実戦でその思想の正しさを証明し、新しい切り口を見出そうとした意欲作である。腰部装備の特徴的な形状から「テイル」というあだ名がある。
この機体が後のXCやXDの礎となったが、試作機故に多くの問題も抱えていた。
ディジエム社がローダー開発でリッペンバールト社に敗れて以来、今度は新しい発想から新型ローダーを開発し、次こそは自分たちの技術力の高さと思想の正しさを証明しよう──と、昼夜を問わぬ奮闘の末に誕生したローダーの一種。これが高機動特化型(XX-xc)であった。
もともとX5c+に関しては兵士、及びドールズから得られた実戦データから、性能の限界が指摘されていた。しかしながら、これ以上の重装甲と高機動リアクターを実装することはほぼ不可能であり、新たな技術革新が起きない限り、これ以上の性能向上は期待できなかった。
ディジエム社は、そもそもX5cの開発当初から、並行してXX-xcの試作開発を行っていたが、当時は軍部と設計思想がかみ合わず、まったく相手にされなかった。しかし、重装甲化に向け開発された改良リアクターと、これに伴う強化筋肉、関節機構の改善により、XX-xcの下地は着々とできつつあった。
なお開発当初は、予算の少なさのため、リッペンバールト社のX5cをベースに研究を行っていた。一から新規機体を設計可能な予算が組めない以上、既存機体を再構築してゆくほうが研究開発が安上がりだったためである。
XX-xcの最初の試作機ができたころ、X5c+は当初の懸念通り性能限界を見せ始め、軍部から機体生産及び配給削減対象の筆頭とされていた。
この試作機の性能として特筆すべきことは──特定の条件下において被弾率が非常に低いこと。また、徹底した軽量化のおかげで従来機に比べ稼働時間が長くなったこと。さらに装甲がほぼないため、稼働領域が大幅に向上。それに伴い姿勢制御装置を改善したことで、柔軟かつ細かい動作が可能となり、非常に俊敏に行動できるようになったこと(臀部にある2機の装置は専用の姿勢制御装置)。これらのことから、ドールズのような隠密行動や潜入工作など主にする特殊部隊での運用に大変適していることがあげられる。
ただし、大きな問題点も露呈した。第一に、装甲と引き換えに軽量化に特化したため、パイロットの安全性に大きな問題があった。第二に機体の構造及び機動性維持のため、重量のある武装が装備できず、火力面に難があること。第三に操縦の難しさである。熟練パイロット専用機と呼べるほど、機体の扱いは繊細で神経を使った。またGによる衝撃も機体で吸収できないほど強いため、操縦者への肉体的負担も大きかった。
頼りのDCDMSに関しても、高度な特殊操作と技量が求められると、もはや補正できる限度をこえており機能を果たせず、従来の小型コンピューターを使用して対応。
これらのことから実戦配備をするには癖が強すぎる機体として、いくつかテスト機を作成しただけの幻の機体となっている。
これら多くの問題点を、ある程度改善した試作機体が、XC-10である。
余談だが、テスト機の1機はドールズにも秘密裏にわたっており、模擬演習のなかで使用された経緯がある。